SOPvol.65市政施行70周年

▲第2部 新市歌「虹の橋をわたって」を全員で合唱

今号、第1面および2面は、新発田市新庁舎開庁・新発田市制70周年記念式典とそれに伴って制定された新市歌についてリポートしました。市制施行後は合併を周辺地区との繰り返し、順調に市勢を伸長させてきました。昭和38年の豪雪および41年と42年の大水害は100億円単位の損害をもたらしましたが、高度成長の波に乗って克服し、その後のバブル期以降も平成の大合併で市域と人口を増加させました。しかし、全国規模で進行する少子高齢化により、平成27年から人口は漸減傾向にあります。

市長は子育て支援策と定住促進策で人口の社会減に歯止めをかけ、ハード政策としての交流型駅前複合施設と新庁舎開庁建設により内外から注目を浴び、「にぎわい創出」に早くも効果を挙げ始めています。ただ、今後は民間の参加がなければ継続は難しく、この流れはしぼんでしまいます。どのように民間主導の機運を盛り上げ、参加を現実のものにするのか、行政の舵取りはいよいよ正念場です。

第3面では久し振りに先進地成功事例の報告です。市長は「ハード事業はほぼ終了」と発言して開発予算を絞り始めました。地方交付税は一本算定により減額、市税は微増では致し方ないように見えます。しかし、それは財源は地方交付税と市税の二つしかないとの固定観念によるものです。

欧米では「寄付金」を財源の一つと考えることが一般的で、文化施設やスポーツ施設建設には「寄付金」がよく使われます。「寄付金」が目に見える形になることにより、「寄付金」がより集まりやすくなるという理由もあります。

新発田でも、スポーツツーリズムによる産業振興は市民の収入増につながる重要な施策です。また、五十公野公園という県内でも優位性を持つスポーツ施設集合体を持っていて、合宿誘致時に足りないと言われるのは屋根付グラウンドやリハビリ施設です。これら施設の建設費の一部に「寄付金」を充ててはどうでしょうか。

墨田区では昨年末「すみだ北斎美術館」を建設し、5か月で20万人を集客しています。その建設費34億円のうち5億円を寄付金・ふるさと納税で集めました。寄付金は今も集まり続け、総額は2年で6億3千万円を突破しました。この手法を徹底的に取材してきましたので、その一部を掲載いたしました。

コストカットは当然です。しかし、財源難を理由に、確実に収益を見込める事業を停滞させてはなりません。新たな財源を得るための工夫が必要です。

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SOPvol.64市民サービス重視の29年度予算

▲新発田城址の桜

今号、第1面は、新発田市の29年度予算についてです。新庁舎などの大型工事が終わったために、総額では約50億円の減となりました。ただし、人件費と物件費を約10億円ほど圧縮したため、市民サービスの経費は逆に約6億円増えています。市長は今年を「ハードからソフトへの転換の年としたい」と提案理由説明で力説しました。しかし、「ソフト」ならば何でもいいというわけにはいきません。市長は議会で、既に低所得家庭への教育費・給食費の補助があるにもかかわらず「給食費無料化の検討」を示唆しました。これを実施すると毎年4億円の資金が必要となります。毎年4億円といえば、大変な金額です。もしそのような資金があるならば、他の優先順位の高い事業に投資すべきでしょう。

中面では、ふるさと納税が4億5千万円を超えたことに焦点を当てました。ただし、新発田市では現在、ふるさと納税寄付金を一般財源に入れています。寄付金という不確定な収入を一般財源とすることは、その収入がなくなったときに、代わりの財源をねん出することが困難になります。使途は一時的なものに限定されるべきです。

前号で、加治川堤の桜並木の生みの親が「昆田文次郎」であることを伝えたところ、大きな反響がありました。そこで、今月号では「昆田文次郎」が新発田の上水道布設にも尽力したことをリポートしました。新発田の過去の偉人のふるさとへの強い思いには頭が下がります。

最終面は、「安兵衛生誕地まつり」と「佐々木盛綱・藤戸の浦ものがたり」のイベントについての告知といたしました。とくに佐々木盛綱については、新発田の始祖とも言える人物でありながら、地元でもほとんど知られていません。徐々に理解を広めていきたいと思います。

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SOPvol.63新発田高校、大学入試で大躍進

今号、第一面は、大学入試において瞠目すべき成績を挙げた新発田高校の取り組みについてです。新発田高校はここ40年来なかった東大2・京大1・東北大7という現役生の合格を果たしました。

理由は単純です。藤井人志という人材を校長に得て、その教育方針を変更したことにあります。彼は「挑戦」を合言葉により高い目標を生徒に持たせ、「未来の俊傑プラン」と「スーパーサイエンスハイスクール」と言うツールを利用し、生徒のモチベーションを上げることに成功しました。それによって停滞していた芝校生の潜在能力を開花させたのです。「自ら考え自ら行動する」方式は心理学でいう「内的動機付け」方式で、最も成果に直結する方法と言われています。トップリーダーの有り方を考える上で大変参考になります。

2面では市議会で提案され、採用された施策を二つ、紹介いたします。一つは今後予想される待機児童増の対応策としての「市立(公立)保育園の民営化」です。近年、市立保育園の臨時職員の激減に伴い、施設に余裕ができているので、それを民営化して保育ニーズに応える施策で、市長も受け入れました。

もう一つは、特養入所待機者解消のため、ショートステイを特養に転換する提案で、こちらも市長は受け入れました。ショートステイの稼働率は年間平均約75%で、25%が空いています。10~15%を特養に転換すると特養入所待機者は解消されます。

3面では新発田の生んだ偉人の一人、昆田文次郎の紹介です。加治川長堤の桜並木の生みの親が文次郎であることは存外知られていません。新発田育英舎の創設、大倉製糸工場誘致、新発田初の上水道敷設なども氏の手柄です。

4面では新発田市政施行70周年を記念して開催される、日本初の「蕗谷虹児・中原淳一・松本かつぢ」3人展の告知です。大正から昭和にかけて日本のサブカルチャーの旗手として活躍し、今日隆盛を極めるマンガ・アニメ文化の萌芽となった3人の仕事を知る絶好の機会です。ぜひ、お出かけ下さい。

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