SOPvol.70接戦の衆議院選挙、黒岩氏勝利

今号、第1面では10月22日(日)に投開票が行われた衆議院選挙の結果を掲載しました。

黒岩陣営は「安保法制容認」を踏み絵とした「希望の党」に参加せず、無所属での出馬となりました。これに共産党が支援を決めたため、参院選・県知事選と同様に野党共闘が成立しました。

黒岩前回票8万2千619票に共産党前回票1万1千214票を加えると9万3千833票、自公共闘の斎藤洋明票は7万4千319票、斎藤は差し引き1万9千514票のマイナスからのスタートとなりました。誰しも黒岩陣営の圧倒的優位とみました。

しかし、地域に作り始めた斎藤の自前組織の活動に加え、選挙中盤から二階堂市長が新発田地区選対本部長に就任し、市長の個人後援会も活動を開始し、斎藤が猛追しました。

結果は、黒岩9万5千644票、斎藤9万5千594票の50票差で黒岩勝利となりました。

今後は、「最低賃金1千円」「戸別所得補償復活」「安保法制廃止」などを公約として掲げた黒岩が、無所属という立場でこれらをどうやって実現するのか。また、「自民党の中からの改革・説明責任を果たす」「米の価格上昇」「保育・教育環境の改善」「地元での働き場所の確保」などを訴えて比例で復活した斎藤も、それらの政策をどのような手法で実現するのか、注目したいと思います。

2・3面では、「地元の食材」というだけでなく「新潟の茄子」に観光資源を絞り込んだ温泉旅館「里山十帖」のディレクター・岩佐十良(とおる)氏の講演要旨です。1泊2食で2万1千円、連日満室にし続ける仕掛けは新発田でも大いに参考になるでしょう。まさに「選択と集中」で成功をおさめた好事例です。

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SOPvol.69新「空き家条例」で空き家活用を

▲ブドウハウスの小林奈保子さん

今号、第1面・第2面では、このたび全面改訂された新発田市の新「空き家条例」について解説・提言いたしました。

現在、新発田市には約5千戸の空き家があり、全世帯の約13%にのぼります。全国平均とほぼ同じ割合ですが、このまま放置すれば、少子高齢化の加速化により、今後ますます増加します。

空き家は危険であるばかりでなく、犯罪の温床ともなり、さらにまちの美観を大きく損ね、ひいては新発田市のイメージダウンにつながります。

新「空き家条例」では、行政代執行を可能として、それに至る手順を明確化しました。そのため、新「空き家条例」は、危険な空き家の解体・撤去を目的とした条例と捉える人が多いようです。しかし、条例の真の目的は、自助・共助・公助の順に「空き家を出さない」「空き家を適正管理する」「空き家を利活用する」ことにあります。その仕組みを作り上げるための基本条例なのです。記事では他町村の「空き家利活用」の成功事例を引用・解説しました。それは「空き家バンク制度」の積極利用、「家守制度」の創設などです。新発田市でもこれらの成功事例を参考にして今後、有効で具体的な施策を練り上げなければなりません。たとえば、新発田市の空き家の1/5を解体・撤去すると20億円~40億円かかるという試算があります。財政的にとても無理な数字であり、解体・撤去は最後の手段ということです。

3面では、前号に引き続き、新発田市で活躍する「農業女子」をレポートしました。就農の目的をはっきりと「儲け」において、園芸・果樹に標準を絞っていることが見事です。適切な支援があれば、類似の新規就農者はさらに増える可能性があります。

4面では、駅前複合施設「イクネスしばた」開館1周年記念講演の概要を掲載しました。図書館経営の専門家・糸賀雅児氏によるもので、図書館はまちづくりを担う人材育成に欠かせない施設とし、そのために「適正な職員配置と十分な資料購入費」が必須としました。また、「直営か民営か」の問題では、「長い目で見れば直営」としたものの、「直営にするなら図書館職員の能力向上が必要」としました。ただし、他自治体では「図書館は公務員の吹き溜まり」といった例も数多く見られ、「直営の場合、図書館職員の士気と能力をどう担保するかが大きな課題」と指摘しました。

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SOPvol.68新発田版DMOで輸出・観光振興

▲米倉いちご園の若杉智世子さん

今号、第1面では新発田版DMOの進行状況をレポートしました。DMOは外国人観光客誘客(インバウンド)と輸出促進(アウトバウンド)を同時に推進しようとの取り組みです。国の取り組みは3年ほど前から始まりましたが、新発田市では5年前から徐々に取り組みを始めました。法人格を持つ観光協会の設立に続き、同協会に旅行業の免許を取得させ、独自の旅行商品の開発と販売を始めました。販売促進のためネット通販サイトも開設しました。

国の取り組みとなった昨年からは補助金がもらえるようになり、その資金を使って台湾中心にトップセールスと観光・物産展を本格化させ、商談会もたびたび開催するなど、取り組みは加速化しています。今後5年間で外国人観光客誘客(インバウンド)と輸出促進(アウトバウンド)のビジネス・システムを確立し、民間に渡せるよう鋭意努力を続けています。

3面では、昨年は住宅取得補助による転入者増を実現しましたが、本年度上半期の出足は鈍りました。現状をリポートしたうえ、対象地区の拡大と必要な人材に絞った上乗せ補助を提案しました。保育士・介護士が圧倒的に足りていません。住宅補助・家賃補助を足りない人材に絞って上乗せし、転入者増と人材確保を同時に狙う一石二鳥の一手です。他に実施している自治体はほとんどありませんので、ニュースバリューもあり、新発田の知名度向上にも資することでしょう。

他に加賀市との子ども会交流会、倉敷市との交流会を事実関係のみ報告しました。

4面には、1棟のみのイチゴハウス栽培ながら、加工によって大きな収益を得ようとしている「農業女子」若杉智世子さんにスポットを当てました。新規就農時、収益性からすべてを計画し、実行するというスタイルは他業種では普通ですが、新発田の農業にはほとんど見られなかったスタイルです。今後の新発田の農業を発展させるためには格好の事例となります。「意思」「加工」「直販」、成功の要素はこの三つです。

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