SOPvol.91           にぎわう月岡温泉街

▲月岡温泉 あしゆ湯足美(ゆたび)

今号、第1面から3面まで使って、月岡温泉を特集しました。

昭和の高度成長期に繁栄を極めた月岡温泉。デフレが続く平成の時代には長い低迷期に入り、来客数・旅館数ともに半減してしまいました。そこで、開湯100年を機に、泉慶社長は過去を振り返る冊子を発行して区切りとし、経営も若手への委譲が進みました。若手有志は2014年に9名で「まちづくり会社ミライズ」を立ち上げ、温泉街の回遊性を増すため、毎年1店舗ずつ、新潟の特産にこだわった体験型のお土産店をオープンさせています。同時に源泉発祥の地を整備し、インスタ映えのする「月あかりの庭」も造りました。温泉街のメインストリートの修景も進めています。一言で言えば、歩いて楽しいメインストリートづくりです。

今年の4月に6店舗目の地元の果物を使ったジェラート店をオープンさせ、6月には一連の取組みが国交大臣の「先進的まちづくり大賞」を受賞しました。

休日ともなれば、温泉街は若いグループやカップル、家族連れであふれ、車での通行がはばかれるほどの人出となっています。いずれ、温泉街のメインストリートと周りの道を回る一方通行にしないと、安全が確保できない心配さえあるほどです。ぜひ、休日に一度訪れて街を歩き、変わりつつある月岡温泉を体験することをお勧めします。

今後は民間の事業拡大・継続と行政の側面支援により、交流人口のさらなる拡大を図る必要があるでしょう。観光庁の調査では観光客一人が地元に落とすお金は、北陸地方で平均2万5千円(交通費除く)だそうです。極めて経済効果が大きいのです。現在の年間50万人を高度成長期の100万人まで戻すことが先決で、同時に外国人観光客の誘致に務めなければなりません。行政主導のアクセス向上・景観整備・インターネット環境の整備・広報および誘客活動は他の観光地に比べて足りていないのが現状です。

4面では蕗谷虹児記念館での展覧会「エロール ル カイン展」と新発田市立歴史図書館での「10代藩主直諒の夢展」、および陽だまり苑の「ピュア・オレンジ」の告知を併せて掲載いたしました。

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